2017年夏、岡崎ぎゃざはスタートしました。
最初の活動は、愛知県岡崎市のショッピングモールにて巨大オカザえもんをつくるワークショップでした。約400組の親子を見てきて思ったこと。それは思った以上に「子供たちは自由ではない」ことでした。1人ひとつ工作で人形をつくるワークショップで、顔をつくり、色を塗っていく作業の中で、あるお母さんがお子さんに「肌の色は緑色じゃないでしょ、肌色で塗りなさい」と言いました。するとお子さんは泣きわめきました。もちろん日本人は肌色が多いかもしれないけれど、でもその子には緑色に見えていたのかもしれないし、緑色を塗りたい気分だったのかもしれない。人の表現は自由であるべき(人に迷惑をかけない限り)です。大人は、知識や概念、経験ですべてを考え行動しています。それを知識や経験が少ない子供たちに押し付けるのはかわいそうです。子供たちは、大人には見えていない世界が見えています。危ない、かわいそう、泣くから、と失敗する経験を作らないのがいちばん成長期の子供たちにとって危険なことだと認識しました。
こういう現実があることを目の当たりにし、子供たちの主体性に重きを置いた教室をつくるべきだと思いました。
なぜ工作や造形にしたか?手を動かすことで話も弾み、人とのコミュニケーションも生まれ、創造力を発揮できるからです。結果ではなく、試行錯誤をしてつくるプロセスの部分を大切にしているのが我々のつくった、「造育こうざ」です。